[日鉄裁判支援する会]3.23東京総行動報告

2022年5月9日

 まん延防止措置が解除された323日、延期されていた東京総行動が取り組まれた。そしてこれまで総務省前で行われていたスタート集会が今回はじめて日本製鉄本社前で持たれた。

主催者あいさつに立った東京全労協の大森議長は、冒頭にロシアのウクライナ侵略問題に触れて「侵略開始以降これまでも様々な取組みがなされてきたが、いかなる理由があろうとも断固戦争反対の声を上げて行こう」と総行動としても戦争反対の闘いを取組んでいくことが確認された。そして「争議団が闘いの先頭に立って22春闘の勝利をめざそう」と訴えた後「徴用工問題と慰安婦問題の解決がない限り戦後補償は終わらない、闘いを大きく前進させよう。」と丸の内のビルの谷間に響き渡る力強い訴えからスタート集会は始まった。

続いて不当逮捕され7ヶ月間も拘留されていた韓国サンケン労組を支援する会の尾澤さんからは「韓国の労働委員会が出した和解勧告を会社に伝えようとしたら問答無用で逮捕された。争議のほうも解雇されて1年経ったが会社は一切交渉に応じようとしない。サンケン労組は馬山が拠点だがソウルにも籠城テントを立てて闘いを強め会社を追い詰めている。また韓国のKBSも特集番組を報道し社会問題化している。私自身の
不当逮捕事件も争議の過程で起こった行為であることを立証するためサンケン労組の組合員を証人申請している。裁判への支援もお願いしたい。」と争議の現状と自らの不当逮捕の闘いを訴えた。続いて昨年大阪高裁で逆転勝利判決を勝ち取った偽装請負解雇争議を闘う
LIA労組の有田さんからは「47か月の闘いを経て全国で初めてみなし雇用制度の適用を争った裁判に完全勝利した。何としても最高裁で判決を確定させたい。今後、最高裁への要請行動を取り組むので引き続き支援をお願いしたい。」そしてJAL争議団の鈴木さんは「昨年12月にこれまで一緒に闘ってきた細井さおりが突然逝去しました。彼女は支援する、されるという立場を越えてみなさんに親しまれていました。争議がなければこんな死に方をしなくてよかったと思うと本当に悔しい。彼女の分まで頑張って都労委の闘いを通じて一日も早く勝利を勝ち取り彼女の墓前に報告したい。」と涙ながらに訴えその後参加者一同で追悼の黙とうを捧げた。

支援する会として「日鉄に強制連行された元徴用工も侵略戦争の犠牲者、このような犠牲者を二度と生み出さないためには私たちが彼らのことを記憶していくとともに会社に大法院判決を履行させなければならない。」と決意を述べた。最後に全造船関東地協の持橋さんは「台湾を占領し、朝鮮を併合、満州国をでっち上げ、アジア全域で殺戮と暴虐の限りを尽くした過去の侵略戦争の清算もできていない日本が、常任理事国入りをめざしたりロシアのウクライナ侵略を糾弾する資格はない。まず徴用工問題を解決せよと言いたい。」と過去清算こそまず日本政府が解決しなければならない課題であると訴えた。

3月下旬にもかかわらず寒風が吹く中の行動だったが、シュプレヒコールと団結ガンバローでスタート集会を無事終えることができた。