[日鉄裁判支援する会]2.15東京総行動報告

2024年3月9日

 真冬とは思えないほど暖かくなった215日、春闘が動き出すタイミングでの第185回東京総行動は今回も日鉄本社前からスタートした。労働争議ではないいわば「間接的」な課題で今回もスタート集会に取り組んでいただいた実行委員会には感謝しかない。

 今回の総行動には新たに2つの争議が加わった。ひとつは日東電工の韓国の100%子会社が工場火災を機に団体交渉にも応じず工場を廃業して別のところで再開し利益を上げておきながら組合員を解雇し組合が求める雇用の継承も拒否したため日本の親会社である日東電工本社への要請行動のために来日した韓国オプティカルハイテック労組の闘い、もうひとつは「ものづくり日本」にあこがれて中国からエッチング技術で金属部品を販売する日本の会社に就職したもののパワハラなどの
不利益取り扱いの是正を求めたところ解雇されたうえに雇用関係不存在のスラップ訴訟を起こされたユナイテッドプレシジョンテクノロジーとその子会社協成に対して解雇撤回を求めて闘う首都圏仲間ユニオンの李善学さん、奇しくも日本が植民地支配した韓国への日本資本の海外進出と外国人労働者の問題に関係する現在のグローバル社会を象徴する二つの闘いが争議に加わった。支援する会からは「昨年12月と今年1月、5年ぶりに元徴用工被害者に対する会社への賠償命令が韓国大法院で確定した。国連の『ビジネスと人権に関する指導原則』を見ればわかるように今国際社会は人権の尊重が最重要課題となっている。会社が一連の判決をこのまま放置することは人権尊重を掲げる国際社会においてはまったく恥ずべき通用しない行為である。植民国家イスラエルのガザ侵攻にみんなが心を痛めているが、植民地主義の克服は全世界的な課題だ。また日立造船の供託金が差押えられ被害者の賠償に充てられようとしているが、これは日本政府が唱える日韓条約解決済論がすでに破綻していることを示している。日本政府・企業の過去の植民地支配への反省がない限り問題は解決しない。」と訴えた。

 どんどんグローバル化が進行する社会において、人権侵害をなくすための闘いに勝利するには国境を越えた連帯と運動とで総行動のように力を合わせて闘う以外に勝利への道はない、そのことをあらためて実感した総行動であった。しかし要請団に対して会社は大法院判決が積み重なりながらこれまでと変わらない受付に対応させる不誠実極まる態度に終始した。