[日鉄裁判支援する会]10.22東京総行動報告

2025年1月16日

  1022日、第187回東京総行動は日本製鉄本社前から始まった。しかし今回はこれまでの行動と違い、会社が社運をかけて買収しようとしているUSスチールをめぐる緊張した情勢を踏まえた様々な角度から会社を追求するレベルアップした行動となった。

 現在、東京総行動には韓国のオプティカルハイテク労働者の闘いが組みこまれているが今回の総行動に向けては韓国民主労総から「東京総行動と過去清算共同行動の取り組みは、戦争犯罪、特に戦時性暴力と強制労働のような最も残酷な人権侵害に警鐘を鳴らし、恥ずべき自画像に全員が目をそらさず、向き合い、二度と再発させないという自らの決意を表現する歴史正義の行動です。韓国の労働者たちは、日本の民衆団体のすべての同志の歴史正義を実現する責任ある精神と行動に深い連帯の意を表します。改めて東京総行動の有意義な行動を、韓国の民主労総は共に闘います。」との力強い連帯のメッセージが寄せられた。

  次にアメリカの捕虜団体「米国バターンとコレヒドール防衛兵記念協会(ADBC-MS)」からは3000人以上の捕虜を企業として戦時中強制労働使役したことに対する謝罪を求める以下の要請文が寄せられた。「2025年は第二次世界大戦終結80周年にあたるため、私たちの組織は日本製鉄に「 アメリカ戦争捕虜との記憶を認める」ことを要請しています。この意思を示すことにより、日本製鉄は、捕虜を奴隷労働者として使用したことを認めた唯一の日本企業である三菱マテリアルに続くことになるでしょう。三菱マテリアル株式会社は、捕虜労働の使用や 鉱山の入り口に銘板を設置することを会社の歴史に含めています。日本製鉄が、捕虜労働の使用の歴史を含めることで、彼らの会社の全歴史を語るよう説得できることを願っています。私たちは、この要求は合理的であり、アメリカ人と組合労働者に対する善意の表れであると信じています。この不幸な歴史を認めることで、米国との関係が強まることを願っています。このことは、アメリカ人が日本と日本人に対して持っている良い意見を強めるものでもあります。」

 そして今回は会としてではなくけんり総行動実行委員会として申入れを行った。交渉団として、けんり総行動実行委員会議長の大森進氏、首都圏なかまユニオンの伴幸生氏、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)の鳥井一平氏、そして会から関西事務局の中田、4名が本社交渉に臨んだ。しかしいつものことではあるが、今回も会社は要請書の受け取りを拒否した。会社が受付業務を委託会社に任せているため、今回の申入れが実行委員会全体の枠組みであることが残念ながら受付の女性からの会社の「伝言」では伝え切れなかった。しかしADBC-MSからの要請だけはどこの団体からの要請かを尋ねてきた。USスチールの買収を控えて敏感になっている会社の内部事情が垣間見えたが、結果は受け取らないとの回答であっため、実行委員会の要請書とともに受付に置いて申入れ行動を終えた。米大統領選挙も終わりいよいよUSスチール買収の可否が決まるが、グローバル企業=日本製鉄に対して徴用工問題、米軍捕虜問題も含めすべての「人権尊重」を迫る闘いはこれからも続く。

(ムジゲ通信2024年11月号より)