●韓国・全国金属労働組合の声明
連帯を妨害するな!被連行者を釈放せよ!
韓国サンケン労働者を支援する日本市民を抗議集会を理由に警察が連行!
支援する会の市民に対する家宅捜索と捜査を中断し被連行者を釈放せよ!
困難に置かれた人を助けようとするのに、韓日の市民が連帯して互いの荷を軽くしようとするのに、まともな政府であれば国がすべきことを代わって行っている彼らに申し訳ないことだ。だが助けることはできなくとも、災いの火の粉を振りまき、ひいては連帯を理由に警察が個人を獄に閉じ込めるというならば、そんな政府を正当で正しいと言えようか。日本の政府と警察の態度が現在そうなのだ。
日本のサンケン電気は労働者の生存権と企業経営の倫理は、すべて捨て去って逃げるように韓国サンケンの廃業を決定した。韓国サンケン廃業の知らせを聞いてサンケン電気が恥ずべきことをしたと、被解雇労働者とともに闘うべきだと日本の市民が進んで連帯する会を結成した。韓国の市民もすぐには乗り出せなかった連帯を海の向こうでつくり出し、自分のことのように立上り被解雇労働者の声をサンケン電気や日本の市民社会に伝えた。新型コロナによって誰もが困難な時、新型コロナによって国境も閉じられた現在、現地で韓国サンケンの被解雇労働者に代わって声をあげてくれる市民の存在は何よりもありがたい。
しかしサンケン電気と日本政府の考えは違っていた。自国の企業が隣国で犯した過ちを明らかにして韓国の労働者を支援する市民が、目の敵であるようだ。結局この5月10日、埼玉県のサンケン電気本社前で抗議行動中の支援する会の市民を不当に逮捕した。昨年9月から続けられていた抗議行動だ。少数の市民にできるのはスローガンを叫んだりチラシを配るくらいだ。これが問題であるというなら8か月以上にわたって何事もなかったのに、突然ここにきて捕えていく理由が理解できない。
連行さえも許しがたいことだが、日本の警察はただちに釈放する代わりにありとあらゆる理由を付けて勾留し続けている。令状もなしに警察の判断のみで勾留期間を延長できるあの国の司法制度も理解できないが、市民は言論・集会の自由と権利を有するというあの国の憲法もサンケン資本と警察権力の前ではさしたる意味がないようだ。やはり警察は連行にとどまらず、連帯活動を理由に所属市民の自宅を強制捜索している。
日本政府が自国企業の過ちを覆い隠そうと、韓日民衆の連帯を断ち切ろうと本性を露わにしたことがわかる。オリンピックなどやめろという市民の絶叫が海を越えてここまで聞こえるのに、耳をふさいでオリンピック強行を叫ぶ政府らしい行為だ。全世界が放射能の汚染水を海に放出するなと止めるのに、一人だけ何の問題もないという首相らしい行為だ。しかし耳をふさぎ目をふさいだ政権の最後がどんなものであるかは4年前に韓国の市民がみずから見せてくれた。
どのように考えても日本警察が韓国サンケン労働者と連帯する市民を連行し団体の活動を弾圧するのは、韓日民衆連帯を遮断しようという目的だ。見せしめにして日本の良心的な市民を締め付け、市民運動を萎縮させようという公安弾圧だ。だがいかなる権力も正しいこと、正当なことに打ち勝つことはできない。韓国サンケンの一方的廃業から始められた不義と不正は、結局のところ広がりに広がって日本内部の暴力と弾圧に拡大した。ここで中止せよ。これ以上、市民を弾圧するな。連行された人を釈放して謝罪せよ。市民の権利を保障して連帯を遮るな。
韓国サンケン労働者の闘いは独占資本と国家が台無しにした韓日関係を、労働者・民衆の連帯でよみがえらせるタネ火となった。労働者の闘いはいつでもより良い世の中に向かって前進する。弾圧に萎縮し踵を返す考えであったならば、最初から金属労組はサンケン電気を標的にした闘いを始めたりもしなかった。金属労組の19万組合員は声を一つにして、警察が連行した連帯市民の釈放と市民運動の自由な活動を保障するよう日本政府に要求する。
2021年5月24日 全国金属労働組合
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