大法院判決から3年目を迎えた10月29日に取り組まれた東京総行動は、実行委員会の配慮でいつもの2つの隊列に分かれた後の行動ではなく一つの隊列で本社を包囲、「李春植さんは96才生きているうちに解決を!」「日本製鉄は大法院判決を履行せよ!」の二つのバナーを高く掲げて80名の参加で成功させることができた。
社前行動は主催者を代表して全労協の寺島さんから「この問題は国家間の約束などという以前に労働者が働いた賃金を返せという当たり前の要求。戦争法、共謀罪など新たな戦前が始まっている時だからこそこの問題の解決は重要。」と戦争へと向かう今の日本の社会状況の中で改めて植民地支配の責任に連なるこの問題の解決の意義がしっかりと語られた。続いてJAL争議団の細井さんは「社名に「日本」を掲げている会社がなぜ隣の国の最高裁判所の判決を尊重しないのか。韓国からわざわざ会社のために働きに来たにも拘らず賃金を支払わないというようなことなどあってはならない。被害者の最後のひとりが亡くなるまで待つというような非人道的なことは許されない。例え亡くなったとしても遺志を継ぐ人が必ずでてくる。」名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会の寺尾さんは「これまで700回以上金曜行動を行ってきた。コロナ禍が始まってからも毎週金曜日に社長あての手紙を届けている。三菱は資産の売却命令が出たが即時抗告をした。日本製鉄同様恥知らずの対応だ。これからも共に闘っていく。」最後に全造船関東地協の持橋さんは「組合として強制連行裁判を闘った金景錫さんを支えてきた。その闘いを通じて日本の植民地支配責任について学んだ。強制連行の言葉を消そうとする教科書の書き換え問題は絶対許せない。」といずれも力強い連帯あいさつが続いた。
会社は、これまでも支援する会の要請はもちろん判決直後に高齢の原告に代わり判決の履行と話合いを求めて幾度も韓国から来日した代理人弁護士との面会や直接文書を受け取ることさえも一切拒否してきた。そして今回の80名の参加者を背景に行った要請行動も担当者の名前さえ名乗らないという社会常識を疑うような態度に終始した。しかし韓国で行われた大法院判決3周年の記者会見では原告代理人の弁護士林宰成(イムジェソン)氏は「日本の政府と企業の態度は無視を超え『冒とく』するものだったが、それでも被害者は日本企業との協議を望んでいる」と述べている。
「判決から3年経っても何も変わらないのがもどかしい」との李春植さんの言葉に政府の陰に隠れて責任を逃れようと姑息な態度をとる会社への怒りがこみあげてくるのと同時に何としても生きておられるうちに解決をしなければとの決意を新たにした。
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