[東リの偽装請負を告発し直接雇用を求めるL.I.A労組を勝たせる会]10・11シグマテックへ要請行動

2019年10月18日

 台風19号が接近する中、10・11東京総行動が行われた。これまで東リ偽装請負闘争を勝たせる会は東リ東京ビル前で抗議を行い、申し入れを行ってきたが、今回は派遣会社(株)シグマテック対し要請行動を行った。目的は兵庫県労働委員会の命令の履行をシグマテックに求めるためだ。4月25日付で兵庫県労働委員会から出た命令は、シグマテックが不採用としたL.I.A労組の組合員5人を雇用し、東リ伊丹工場に戻すことである。しかしシグマテックは命令を不服とし、中労委に再審査を申し立てている。


 前回6・21東京総行動の前日6月20日にも、シグマテックに命令を履行するように申し入れを行ったが、シグマテックは用心棒風の男を立てて、私たちを追い返そうとし、話し合いに応ずる気配を見せなかった。

 シグマテックは2017年3月、東リの求めに応じ、L.I.A労組の組合員が業務に従事していた東リ伊丹工場の工程にやってきて、請負会社から業務を引き継ぐために従業員と面談を行った。シグマテックは組合員らが従事していた工程の業務経験はなく、知識もなかった。そこでシグマテックは組合員5人のみを不採用として、8時間×3交替制の巾木工程1班を丸々消滅させた。しかも不採用としたのは18年のキャリアを持つ組合員含め熟練工たちばかりであった。
 4月から巾木工程では当然のように欠員が生じたため、シグマテックは残留した従業員に対し12時間勤務を強いていた。中労委の補充申立書では新規採用、既存の派遣従業員の転用を想定し準備していたと主張しているが、事実とは異なる。普通に考えるならば、安定的な生産の維持、安全衛生義務を無視した行為であるにも関わらず、シグマテックは適切に採用行為を行ったと主張しているのだ。


 10時40分からシグマテックが入居する東京目黒の新目黒東急ビル前で行動を開始した。この日結集した仲間は約20名。教職員なかまユニオンのメンバーも最高裁へ要請行動のため上京しており、シグマテックへの行動に参加してくれた。

 シュプレッヒコールに始まり、主催者代表東京全労協大森進議長の挨拶、東リ偽装請負闘争を勝たせる会を代表して、なかまユニオン井手窪委員長の挨拶が続いた。申し入れの際、前述の用心棒風の男を警戒し、参加者全員で交渉に当たることにした。

 6Fのエレベーターホールに上がると、予想とは異なり、用心棒風の男はいなかった。用心棒風の男のことについては、東リに抗議したり、SNSで発信してきたこともあって、今回はシグマテックが配慮したのかもしれない。それにしてもシグマテックの対応は不誠実そのものであった。こちらの発言し対しても返答せず、「お引き取りください」の一点張りだった。応対者は参加者から名前を問われても答えることはしなかった。要請書についても「お受けできません」と言い張っていたが、最後には粘り強い交渉が実り、要請書を受け取らせることに成功した。

 6Fのフロアーで気付いたが、シグマテックオフィスには公益社団法人労務管理教育センターが併設されていた。詳しいことは分からないが、事業の概要は「労働関係諸法令に基づく労務管理の適正化促進等により労働者の福祉の増進等に寄与することを目的として、労働者の安全衛生に関する研修・講習・労働者派遣事業の適正化に資するための講習を実施している」(Weblio 辞書)とのことだ。労働者の福祉のために是非とも適正化をお願いする。