[フィリピントヨタ労組を支援する会]フィリピントヨタ労組エド・クベロ委員長の超法規的殺害を阻止する要請書を岸田首相に提出!

2021年12月20日

要請書を提出する山際代表(中)、青木委員長(右)、田中事務局員(左)
  12月20日午前、フィリピントヨタ労組を支援する会と全造船関東地協労働組合はフィリピントヨタ労組エド・クベロ委員長の超法規的殺害を阻止するため、岸田首相宛に「フィリピントヨタ白動車労組に対する弾圧及び同労組委員長に対する暗殺脅迫の防止並びに同労組に関わる長期未解決労働争議の即時解決を求める要請」書を、衆議院第一議員会館にて内閣総務官室の担当者に手渡し、提出しました。

 12月1日にエド委員長の携帯電話に差出人不明の殺害予告の脅迫メール、「お前は最低な奴だ。お前は我々に対して多くの罪がある。死ぬ前に妻と子供と別れておけ。私はお前がどこに住んでいるか知っている。お前とお前の仲間たちはテロリストだ。お前ら全員死ね。」が届きました。
 今年3月にエド委員長の友人である富⼠電機フィリピン労組のダンディー・ミゲル委員長が、職場からの帰宅中に⾝元不明の暗殺者たちに殺害されました。そしてエド委員長もアカのレッテル貼りをされ、身の危険から自宅に戻ることが出来ない状況が続いています。脅迫メールが届いた携帯電話は3週間前に買い換えたばかりの電話でした。

 私たちは要請書の3点の要請内容を伝え、内閣総務官室の担当者からは要請書を内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当) 中谷元氏に渡し、中谷氏から外務省に伝える旨の返事をいただきました。

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内閣総理大臣  岸田 文雄 殿

内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当) 中谷 元 殿

外務大臣   林 芳正 殿

厚生労働大臣 後藤 茂之 殿

経済産業大臣 萩生田 光一 殿

 フィリピントヨタ白動車労組に対する弾圧及び同労組委員長に対する暗殺脅迫の防止

並びに同労組に関わる長期未解決労働争議の即時解決を求める要請

 我が国の友好国であるフィリピンにおいて目下きわめて由々しい事態が発生しています。組合潰しのための大量不当解雇の撒回、原職復帰あるいはそれに代わる適正な金銭解決という正当な要求を掲げて20年以上にわたり闘い続けているToyota Motor Philippines Corporation Workers Association (以下「フィリピントヨタ労組」という。)に対して、その直接の経営者側であるところの、我が国トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ本社」という。)の現地法人Toyota Motor Philippines Corporation (以下「フィリピントヨタ社」という。)が、国際労働機関(ILO)からの数次にわたる勧告に従わず、フィリピントヨタ労組を敵視し無視している状況下において、同国のドゥテルテ大統領政権が同労組の委員長Ed Cubelo(エド・クベロ)氏のような民主的労働組合運動の指導者を共産主義テロリストであるとアカのレッテル貼りをして弾圧の対象としていることです。

 そして、このような国家権力による極悪苛烈な弾圧政策によりエド・クベロ氏は自分の率いる組合の防衛と正当な要求貫徹のため常に居場所を転々と移し変えなければならない状態に置かれています。そのような最中に、国家権力の極悪苛烈な弾圧政策に勢い付けられたと考えられる暗殺者集団が、エド・クベロ氏らを標的として、添付別紙の通り暗殺の脅迫文を送りつけてきているのです。ここに取り上げ示すものはその最新の1例に過ぎませんが、同集団はなんと同氏がたった3週間前に買い替えたばかりの専用携帯電話番号をピンポイントで割り出して匿名の脅迫メールを送ってくるという実に恐ろしい有様です。

 私たちの提起します要請の第一点は、万が一フィリピントヨタ労組委員長エド・クベロ氏が暗殺されるという事態が発生した場合には、我が国に本社を有する世界有数の多国籍企業の海外進出の在り方をめぐって、かつまた我が国政府としての国際人権問題への対処の仕方および外交展開の在り方をめぐって由々しき問題となることは明白です。そのような不測の事態を招来しないよう、我が国政府としてフィリピンのドゥテルテ大統領政権に対して適切な忠告、要請等適時かつ適切な措置を緊急に執って頂きたく要請する次第です。

 もちろん、労働争議が解決されることこそが私たちの第一義的な念願です。この点に関しては、前記のILO勧告とは別に、2004年に私たちフィリピントヨタ労組を支援する会とフィリピントヨタ労組はトヨタ本社とフィリピントヨタ社を相手取って、経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業行動指針に基づき、外務省、厚生労働省および経済産業省によって構成されるOECD日本連絡事務所(ナショナル・コンタクト・ポイント“NCP")に問題提起をして、辛抱強く話し合いによる円満解決を求めました。

 多国籍企業の責任ある事業活動の在り方として、多国籍企業傘下の世界のどこの国の現地法人において発生した問題であろうと、同行動指針に基づき問題提起されたならば当該多国籍企業の本社が責任をもって話し合いを通じて解決するというのが同行動指針の基本精神であるにもかかわらず、トヨタ本社はこの精神を踏みにじり、当事者同士の話し合いに入ることを拒否して決裂させてしまいました。そのためにOECD日本NCPはトヨタ本社とフィリピントヨタ社は行動指 針を遵守せよとの旨の最終声明を発して問題提起手続を終結せざるを得なくなりました。その最終声明書の日本語版および英語版は外務省のホームページに公表され、また正文となる英語版はOECDのホームページに全世界に向けて公開されているところです。

 トヨタ本社は日本NCPに対してフィリピントヨタ社がフィリピン政府の労働雇用省に誠意をもって対応することをトヨタ本社およびフィリピントヨタ社双方の態度として言明した旨、最終声明中に記載されており、この言明を担保として日本NCPは手続を終結したという経緯があります。しかし、その後フィリピントヨタ社は労働雇用省に対し何らの積極的態度も示すことなく、トヨタ本社がフィリピントヨタ社に対しそれを実行するよう促した形跡も全く見受けられないというのが現実です。

 私たちが提起します要請の第二点として、以上のような現状にありますので、我が国政府として本件長期未解決労働争議を一刻も早く解決するようトヨタ本社を指導して下さい。その指導に当たっては是非とも豊田章男社長に直接面談して、本件の解決に応じる旨即刻内外に向けて意思表示するとの賢明な決断を同氏に促して下さるよう要請します。

 そして、要請の第三点として、トヨタ本社の豊田章男社長に解決の意思表示を即刻発表することに応じてもらえない場合においては、フィリピンにおける暗殺者集団の跳梁跋扈の恐るべき現実に照らしてエド・クべロ氏に対する暗殺の決行の蓋然性がきわめて高いと想定せざるを得ない急迫の危険を考慮して、我が国政府としてエド・クベロ氏のフィリピンからの安全な出国および我が国への安全な入国という非常の措置をお取り下さるご検討の程お願い申し上げます。

以上三点が私たちの要請事項です。よろしくお願い申し上げます。

なお、申し遅れましたが、フィリピントヨタ労組は全造船関東地協労働組合傘下の組合です。 フィリピントヨタ労組を支援する会はこの解雇撤回闘争は私たち日本の労働者の問題でもあると の認識からその闘争を 20 年間にわたり支援し続けて来ている我が国の働く労働者と市民によって構成される支援団体です。

本件に関わる資料を添付いたしますので、ご参照をよろしくお願いいたします。

20211220

フィリピントヨタ労組を支援する会 代表 山際 正道

全造船関東地協労働組合   執行委員長 青木 直史

連絡先 横須賀市追浜東町3-63ハイツ追浜901

電話 046-866-4930 

【添付資料】

2021121日付けエド・クベロ氏携帯電話に届いた殺害予告脅迫文

② 第125号インダストリオール・ウェブサイトニュース「フィリピンで労働組合員殺害」

2019411日付けOECD日本NCP最終声明(日本文)

2019411日付けOECD日本NCP最終声明(英文)

2019912日付け東京2020オリパラ組織委宛て要請書

2020228日付け東京2020オリパラ組織委宛て要請書

2021324日付け東京2020オリパラ組織委員会宛て要請書

2021625日付けトヨタ本社豊田章男社長宛て抗議要請書

2021920日付けトヨタ本社豊田章男社長宛て抗議要請書